名古屋大学太陽地球環境研究所研究集会
中緯度短波レーダー研究会
世界11ヶ国の国際協力に基づくSuperDARN(Super Dual Auroral Radar Network)は、現在南北両極域に併せて15基の大型短波レーダーを運用しており、当初から電離圏・磁気圏物理を中心とした目覚ましい研究成果を次々と上げています。この様なSuperDARNと同様の規格の大型短波レーダーを北海道の様な中緯度域に新たに設置した場合、今まではSuperDARNの視野外であったsubauroral帯や中緯度領域で2次元高時間分解能の電場観測ができることになり、多くの新しい研究成果が生まれることが期待されます。
また、極域の大型短波レーダーでは電磁気圏物理だけではなく、熱圏・中間圏物理に関する観測にも活用できることが明らかになり、新たな研究成果も続々と出てきております。一方で、日本国内にはすでに電離圏、熱圏、中間圏の観測ネットワークがかなり充実しています。日本国内観測ネットワークと極域短波レーダーの視野領域の間に位置する、磁気緯度40-60度の観測空白域を埋めることにより、様々な新しい研究成果を導き出せると期待しています。
プログラムにもありますように、今回の研究会には磁気圏・電離圏物理から熱圏・中間圏にいたるまで様々な専門分野の計22名の方々に参加していただきました。対象となりうる新しい研究テーマを活発に議論していただいたと同時に、大型短波レーダー計画を進める上での課題についても充実した議論を行うことができました。
研究会の開催にあたり多くの方々にご協力をいただき、深く感謝いたします。
世話人 西谷 望・小川忠彦(名古屋大学太陽地球環境研究所)