ムービーギャラリー
大規模伝搬性電離圏擾乱(LSTID) (m1v 3MB)
大規模伝搬性電離圏擾乱(LSTID)は電離圏電子密度の変動が波となって伝搬するもので、1000 km以上の波長及び1時間以上の周期を持っており、地磁気活動度と相関が高いので、高緯度の地磁気擾乱によるジュール加熱の結果、熱圏大気中に大気重力波が生成されたものと考えられています。北海道-陸別HFレーダーとGPS受信機網の同時観測により、LSTIDが電子密度上昇とともに短波帯電波の反射点降下を引き起こしており、大気重力波伝搬のモデル計算と一致することが明らかになりました。
(Hayashi et al., J. Geophys. Res., 2010)
夜間中規模伝搬性電離圏擾乱(MSTID) (mpg 2MB)
夜間に観測される中規模伝搬性電離圏擾乱(MSTID)は電離圏電子密度の変動が波となって伝搬するもので、1000 km以下の波長及び1時間以下の周期を持っており、電離圏内のプラズマ不安定に起因するものであると考えられています。北海道-陸別HFレーダーとGPS受信機網の同時観測により、MSTIDの伝搬方向が緯度及び時間帯により大きく変わることが明らかになりました(日本国内の観測では大体南西方向に伝搬するとされていました)。
(Ichihara et al., Adv. Polar Sci., 2013)
巨大地震に伴う伝搬性電離圏擾乱 (m1v 0.7MB)
2011年3月11日の東北太平洋沖地震が発生した10分後に、北海道-陸別HFレーダーは最大で6km/s以上の高速で震源から放射状に伝搬する電離圏構造の上下振動を観測しました。これは地球表面・内部を伝わる地震波が地表面・海表面の垂直振動を引き起こし、これが上方に伝わる大気音波を引き起こし電離圏高度まで伝わり振動を引き起こしたものと解釈されます。この研究成果は全国31社の新聞紙に記事として掲載されました。なお関連記事は、太陽地球環境研究所ニュースレター60号4-5ページ、同ニュースレター65号19-20ページにも掲載されています。
(Nishitani et al., Earth Planets Space, 2011; Ogawa et al., Earth Planets Space, 2012)